〈山路正国〉「裏切り者」か「義理を貫いた男」か
秀吉側の視点(『柴田合戦記』以降)では敗軍に殉じた「逆臣」、七本槍譚では清正の武名を高める「大将首」役。一方、江戸期以降の講談・読み物では「家族を犠牲にしてまで旧主筋への義を貫き、負け戦と知りつつ討死した忠烈の士」と美談化された。浮世絵『太平記英勇伝』に単独で描かれるのは英雄視の表れ。どちらの像も後世の物語の産物であり、実像は複数の力学の中で決断した境界の武将である。
秀吉側の視点(『柴田合戦記』以降)では敗軍に殉じた「逆臣」、七本槍譚では清正の武名を高める「大将首」役。一方、江戸期以降の講談・読み物では「家族を犠牲にしてまで旧主筋への義を貫き、負け戦と知りつつ討死した忠烈の士」と美談化された。浮世絵『太平記英勇伝』に単独で描かれるのは英雄視の表れ。どちらの像も後世の物語の産物であり、実像は複数の力学の中で決断した境界の武将である。