〈斯波詮直〉「和歌・遊興に耽って政を怠った」暗君評

実質的な典拠は『奥南落穂集』など南部藩側の編纂物——斯波氏を滅ぼした側の記録であり、「名門は当主が暗愚だったから滅びた(=征服は正当)」という物語的要請を帯びやすい。「和歌に耽って」という表現は近年の読み物で好まれる言い回しで、原典レベルで確認できるのは「遊興に耽り諫言を容れなかった」という趣旨にとどまる。ただし義弟の出奔・重臣の相次ぐ離反・動員令への不応という家中崩壊の経過は、求心力の低下自体を裏付けており、まったくの捏造とも言い切れない。両論併記が誠実である。初出:『奥南落穂集』(江戸期・南部側)。

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