〈本多正信〉治国論『本佐録』の著者である

「百姓は財の余らぬように、不足なきように治むること道なり」で知られる『本佐録』(書名は「本多佐渡守の記録」の意)は正信の著と伝えられてきた。林鵞峰の延宝5年(1677)跋文は「正信が藤原惺窩に作らせ秀忠に献上した」との家伝を記す。しかし本文に寛文7年(1667)刊『五輪書』からの引用とみられる文が含まれ、1616年没の正信の著作としては成立し得ないという指摘が現在の主流。1731年の写本にも既に「正信仮託の偽書」との説が記される。仮託されたこと自体が、後世の「治国の智者」イメージを示していて面白い。

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