〈塙直之(塙団右衛門)〉出奔の理由は褒賞への不満だった
『新東鑑』は全く別の出奔譚を載せる。罪人捕殺の命に、同僚・藪与左衛門が忠実に任務を果たす一方、団右衛門は寒い日ゆえ斬り合いの最中に悠然と火にあたっていた。行賞で与左衛門1,300石に対し自分は1,000石に留まり、不満を抱いて出奔——。関ヶ原抗命説とは別系統で、出奔理由が伝承ごとに異なること自体が前半生の史料的不確かさを示す好例である。
『新東鑑』は全く別の出奔譚を載せる。罪人捕殺の命に、同僚・藪与左衛門が忠実に任務を果たす一方、団右衛門は寒い日ゆえ斬り合いの最中に悠然と火にあたっていた。行賞で与左衛門1,300石に対し自分は1,000石に留まり、不満を抱いて出奔——。関ヶ原抗命説とは別系統で、出奔理由が伝承ごとに異なること自体が前半生の史料的不確かさを示す好例である。