〈土屋昌次〉馬防柵の二重目まで破って討死した

三重柵の二重まで突破して銃撃を浴びたという描写は『甲陽軍鑑』の文学的構成(殉死できなかった男が忠義を戦場で果たす)。だが長篠で土屋右衛門尉が討死したこと自体は、織田側の『信長公記』巻八が山県昌景・馬場信春・真田信綱らと併記しており、同時代性の高い史料で確認できる史実である。「大音声を発して斬り込んだ」という細部や、従士・温井左近が首級を持ち帰ろうとして果たせず殉死したという話は地元伝承(伝説・俗説)。

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